配送の一日は、荷物を積む前から始まっている。
最初に見るのは、今日の荷量。
配送の仕事というと、荷物を車に積んで住所を見ながら順番に届けていくイメージがあるかもしれません。でも実際には、走り出す前からその日の配送は始まっています。
営業所に着くと、自分の担当エリアの荷物が載ったラックが用意されています。僕の稼働環境では、朝の時点では基本的に午前指定と指定なしの荷物が中心で、午後以降の時間指定は別の場所に保管されています。
荷物の大きさはさまざまです。僕の場合、通常時で朝の荷量はだいたい130〜150個前後。繁忙期には200個を超えることもあります。
全部持っていくことが正解とは限らない。
ラックを見たら、いきなり積み始めるわけではありません。まず「これを1便で回りきれるか」「全部積めるか」を考えます。
仮に車に積めても、1便ですべて回りきれないなら何を残すかを決めます。届け先が近い荷物をまとめた方が効率よく回れるので、固まった場所の指定なしの荷物をあえて次の便へ回すこともあります。
積めるだけ積むのではなく、今日の荷量と時間を見ながら、どこまでをひとつの便として組み立てるかを先に考えます。
荷積みも、ただ積んでいるわけじゃない。
方針が決まったら荷物を読み込んでいきます。このときも、空いているところへ適当に積むわけではありません。
すべてを覚えることはできませんが、受取人の名前や荷姿をできる範囲で把握しながら、番地ごとに分けて積みます。配達先に着くたびに荷台の中を全部探していたら、それだけで時間を使うからです。
荷積みは荷物を車に載せる作業であると同時に、その日の配送ルートを頭の中に作っていく時間でもあります。
走り出してからも、予定は変わる。
もちろん朝に組み立てた通りに一日が進むとは限りません。不在もあれば道路状況も変わり、時間指定もあります。
「まだ指定なしを回れる」「そろそろ時間指定を優先した方がいい」。状況を見ながら、その日の組み立てを何度も調整します。
速さより、組み立て。
配送数だけを見ると、たくさん配る人は単純に速い人だと思われるかもしれません。でも僕は、速さだけではないと思っています。
どの荷物を持っていくか、どの順番で回るか、どこで時間指定へ切り替えるか、荷物をどこに積むか。一つひとつは小さな判断でも、一日分積み重なると大きな差になります。
そして、どれだけ効率を考えても、誤配をしない、時間指定を守る、事故を起こさない。そこを犠牲にはできません。営業所で今日のラックを見た瞬間から、もうその日の配送は始まっています。
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